太陽光発電の設置で雨漏りしてしまう原因と発生時の対策
太陽光発電の設置時に雨漏りの原因には、屋根のタイプや施工不良、適さない屋根があります。特に築年数が経過した住宅では、屋根の状態確認と修理が必要です。信頼できる業者を選び、穴を開けない施工法を採用することも重要です。雨漏りが発生した際には、設置業者に連絡し、保証内容を確認することが大切です。
目次
太陽光発電設置で雨漏り?原因について
太陽光発電の設置に関する問題には、屋根のタイプや施工不良、適さない屋根への設置などが考えられます。特に、屋根の種類によって施工方法が異なるため、業者の技術や経験が重要です。適切な設置が行われていない場合、雨漏りや屋根材の損傷が発生することがあります。
◇屋根のタイプごとの原因
太陽光発電の設置において、屋根のタイプが大きな要因となります。日本の一般的な一軒家では、瓦屋根とスレート屋根の2種類がよく見られます。これらの屋根に太陽光発電を取り付ける際、施工業者は複数の穴を開け、そこにシーリングで防水処理を行うことが多いです。しかし、防水処理が不完全であれば、穴から水が侵入し、雨漏りの原因となります。
瓦屋根の場合、施工時には瓦を移動させる必要があります。その後、元の位置に戻さなければならないのですが、経験の少ない業者は元の位置に戻すことができず、隙間から水が侵入する危険性があります。スレート屋根では、瓦のように屋根材を動かせないため、スレートの上に金具を取り付け、ビスで固定します。ここでも、防水処理に使用するコーキング材の質が低い場合、雨漏りを引き起こすことがあります。
◇施工不良
次に考えられるのが、取り付け工事の不備です。中には、経験が浅い業者や適当な施工を行う業者も存在します。よく見られる施工不備としては、防水処理が不十分であったり、太陽光発電の設置のために移動した瓦を元に戻さないケースがあります。場合によっては、雑な施工により屋根のパネルや金属板が破損することもあります。
また、太陽光パネル自体が正しく取り付けられていないことも多く、これが原因で風や重みによって屋根に不均等な圧力がかかり、屋根材が損傷したり防水層が壊れるリスクがあります。さらに、太陽光発電の取り付けにはメーカーが推奨する手順がありますが、これに従わない業者も多く、その結果として不具合が生じることがあります。
◇適さない屋根への設置
太陽光発電はすべての屋根に取り付け可能ではなく、設置に不向きな屋根の形状があります。屋根が小さかったり、構造が複雑な場合は、太陽光発電の設置が難しいです。メーカーが推奨していないスレート屋根と野地板を組み合わせた屋根も、設置には注意が必要です。
また、業者や販売店による事前調査が不十分で、屋根の損傷に気づかずに施工を行うこともあります。これが原因で将来的に雨漏りが発生するリスクがあるため、業者選びや事前の調査が重要となります。
設置の際の雨漏りを防ぐ対策
太陽光発電や蓄電池を設置する際には、事前の調査と修理が不可欠です。特に、築年数が経過している住宅では、屋根の破損が設置後に発見されることが多いため、注意が必要です。屋根の状態を確認し、適切な対策を講じることで、雨漏りのリスクを軽減することができます。
◇築年数が経過している場合は修理してから設置
太陽光発電や蓄電池を設置する際には、事前に屋根の状態を調査し、必要に応じて修理を行うことが重要です。設置後に屋根の破損が見つかることが少なくありません。統計によると、住宅トラブルの相談内容で、雨漏りは外壁や基礎のひび割れに次いで多い問題です。築年別に見ると、築10年以内の住宅での雨漏りは5.9%に対し、築11〜20年では21.7%と急激に増加します。
損傷がある状態で太陽光発電を設置すると、雨漏りの原因となるため、築年数が古い住宅は特に注意が必要です。万が一、損傷が見つかった場合には、必ず修理を行った上で設置を行うことで、雨漏りのリスクを軽減できます。築浅の住宅でも雨漏りは発生することがあるため、設置前に調査を行っておくことが安心につながります。
◇信頼できる業者に依頼
太陽光発電の設置を行う際には、経験豊富な業者を選ぶことが重要です。適切な業者選びにより、施工不良による雨漏りなどのトラブルを未然に防ぐことができます。太陽光パネルのメーカーは、認定した施工業者に対して販売IDや施工IDを発行しています。複数のメーカーからIDを保持している業者も多く、これらを確認することで信頼性を高めることができます。
業者を選ぶ際には、メーカーの販売IDや施工IDを持っているかどうかを確認することがリスクを軽減するポイントです。これにより、確かな技術を持つ業者に依頼できる可能性が高まり、設置後の安心感を得ることができます。
◇穴をあけない方法
太陽光発電の設置時に穴を開けずに行う工法を採用する業者を選ぶのも、トラブル防止の一つの対策です。穴を空けない工法には、キャッチ工法、シンプルレイ工法、支持瓦工法などがあります。これらの工法を採用することで、施工後の雨漏りのリスクを軽減することが可能です。
ただし、屋根材によっては穴を開けない工法が適用できない場合や、工事費が割高になることがあるため、事前に確認しておく必要があります。自宅の屋根に適した工法を理解し、適切な選択を行うことが重要です。
◇保証内容の確認
太陽光発電のメーカーによっては、雨漏りを含む保証が付いているものもあります。しかし、保証内容にはメーカーによって違いがあり、雨漏りが対象外となる場合もあります。契約を結ぶ前に、雨漏りについて補償が受けられるかどうかを確認しておくことが大切です。
特に、大きな投資となる太陽光発電の設置においては、保証内容の確認が重要です。信頼できるメーカーや業者を選ぶことで、長期的に安心して利用できるようになります。
雨漏りが発生した場合の対処法
雨漏りが発生した場合の対応として、まず設置業者に連絡をすることが重要です。業者によっては、販売元と設置業者が異なる場合があります。そのため、契約した太陽光発電事業者に連絡を取るのが最も適切です。また、太陽光発電を取り扱う業者が倒産していることもあるため、事前に連絡先を確認しておくことが大切です。
◇まずは設置業者に連絡
雨漏りが発生した場合、最初に行うべきは設置した業者への連絡です。しかし、販売元と設置業者が異なるケースもあります。その際は、契約を結んだ太陽光発電事業者に連絡するのがベストです。
また、太陽光発電を取り扱う業者が倒産してしまうこともあるため、事前にその情報を把握しておくことが重要です。万が一、雨漏りが発生した際に適切な対応を受けられるよう、定期的に業者の連絡先を確認しておくことをおすすめします。
◇保証内容の確認
次に、太陽光発電の保証内容について確認しておくことが重要です。雨漏りが補償範囲に含まれているか、詳細を確認することで、万が一の際に修理費用を抑えることができます。
しかし、メーカーによっては雨漏りが保証対象外であったり、保証期間が既に終了している場合もあります。こうした場合、太陽光パネルの脱着費用が10〜30万円、屋根の修理費用が20〜80万円程度かかることがあります。
修理の際には、防水シートやシーリングの補修、ビスの締め直しなどが一般的な手順です。ただし、修理費用や方法はメーカーや業者によって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
雨漏りを防ぐためにはメンテナンスも重要
雨漏りを防ぐためには、専門家による定期的な点検とメンテナンスが不可欠です。特に太陽光発電設備に特化した専門家を選ぶことで、故障や感電のリスクを減らせます。年に一度の点検を行い、災害後には特に念入りな確認が必要です。定期点検は雨漏りや他のトラブルを早期に発見し、パネルの寿命を延ばすためにも重要です。
◇専門家に点検を依頼
雨漏りを未然に防ぐには、専門家による定期的な点検・メンテナンスが必要です。太陽光発電設備の点検やメンテナンスの経験が豊富な専門家を選ぶことが重要です。これらの作業は主に電気系統や電気点検が中心となりますので、専門的な知識がないと故障や感電のリスクがあり、非常に危険です。また、太陽光パネルの洗浄を自分で行うと、転落の危険性も伴うため、清掃作業も専門家に依頼するのが賢明です。
さらに、施工業者やメーカー系列の専門家は設備の構造に精通しているため、万が一のトラブルに対しても迅速かつ適切に対応できます。可能であれば、メーカー系列の専門家を選ぶことが、より安心して任せられるポイントです。
◇定期点検や災害発生時に確認や補修を行う
太陽光発電のシステムは、年に一度の点検・メンテナンスが推奨されています。特に雨漏りは、放置すると建物の構造に深刻なダメージを与える可能性があるため、台風や豪雨の後には念入りな点検が必要です。定期的な点検やメンテナンスを行うことで、雨漏りだけでなく他のトラブルを早期に発見できるメリットもあります。
また、定期的な点検を怠ると、パネルの寿命を縮める原因にもなります。したがって、太陽光発電システムの持続的な運用のためにも、点検やメンテナンスを定期的に実施することが非常に重要です。
太陽光発電の設置時に雨漏りが発生する原因には、屋根の種類や施工不良、適さない屋根があります。特に、日本の住宅では瓦屋根とスレート屋根が一般的で、施工業者の技術が重要です。施工時の防水処理が不十分だと、穴から水が侵入しやすくなります。経験の浅い業者による施工不備もリスクを高めるため、業者選びが欠かせません。
また、築年数が経過した住宅では、事前に屋根の状態を調査し、必要な修理を行うことが重要です。信頼できる業者に依頼し、穴を開けない施工法を選択することで、雨漏りのリスクを軽減できます。さらに、雨漏りが発生した場合には、設置業者に連絡し、保証内容を確認することが大切です。適切な対策を講じることで、安心して太陽光発電を活用できます。