太陽光発電は家を建てた後でも設置できる!メリットと注意点
太陽光発電は、家を建てた後でも設置できるため、新築時に導入を逃してしまった方でも安心です。後付けの場合、自分のペースで業者や製品をじっくり選べるため、納得のいく設置が可能です。
しかし、設置場所や屋根の状態によっては補強工事が必要になることもあり、注意が必要です。こちらでは、太陽光発電を後付けする際の利点や気をつけるべきポイントについて詳しく解説します。
目次
太陽光発電は後から設置も可能
近年では、マイホームに太陽光発電や蓄電池を導入している家庭も増えています。太陽光発電の導入は、新築住宅のほうが多い印象を持つ方もいますが、後付けも可能です。これから太陽光発電の導入を検討している方は、後付けの利点などを知っておくと導入時の失敗を防げます。
◇新築時でなくても設置可能
住宅購入時にハウスメーカーに依頼する方法が一番スムーズですが、購入後でも専門業者に頼んで設置することができます。後付けの場合、太陽光パネルの設置場所は固定されていないため、既存の屋根や空間を活用して、効率よく発電できる位置を工夫して決めることが重要です。専門業者は、取り外し可能なパネルを使って工事を行うことが一般的ですので、安心して依頼できます。
◇後付けで太陽光発電システムを導入する利点
太陽光発電を後付けするメリットは、次の3つです。
業者・製品選びに時間をかけられる
太陽光発電を専門としている業者の中には、悪徳業者が存在します。新築の場合だと完成のタイミングに合わせるために、急いで業者を選んでしまうケースも多いです。一方、後付けの場合は、急ぐ必要がないため複数の業者を比較しながら自分に合った業者や製品をゆっくり探せます。
ハウスメーカーなどの場合、ハウスメーカーとつながりのあるメーカーの製品しか取り付けられないといったケースもあるため、希望のメーカーがある場合は後付けがベストです。
固定資産税がかからない
通常、新築で太陽光発電を導入する際に、屋根と一体型のものを選んだ場合は固定資産税の課税対象となります。しかし、後付けの場合、ほとんどが太陽光パネルの取り外し可能なタイプのため、固定資産税には含まれません。ただし、新築と同じく屋根とパネルが一体化になっているものを選んだ場合は、固定資産税の課税対象となるため注意が必要です。
屋根のリフォームも一緒にできる
太陽光発電を屋根に設置する場合は、屋根のリフォームも同時に行えるケースもあります。築年数がある程度経過した住宅の場合、屋根材が破損しているケースも少なくありません。破損したまま太陽光発電を設置してしまうと、雨漏りなどの原因にもなり得ます。そのため、可能であれば屋根のリフォームも合わせて依頼するのがおすすめです。
太陽光発電を後付けする際の注意点
画像出典:フォトAC
太陽光発電は後付けでは、新築時に設置する場合とは異なり、既存の建物との兼ね合いで様々な制約が生じることもあります。以下で注意すべき3つのポイントを解説します。
◇補強工事が必要な場合がある
太陽光発電を後付けする際に、補強工事が必要なケースがあるため注意が必要です。太陽光パネルの重さは、1㎡あたり15㎏で一般家庭に取り付けるパネルは大体8〜30㎡で総重量は270〜450㎏までおよびます。そのため、築年数が経過している住宅や太陽光パネルの設置を想定した住宅でない場合、構造補強や耐震補強工事が必要です。
特に1981年(昭和56年)以前に建てられた住宅は、旧耐震基準で建てられているため、補強工事が必要となります。
◇太陽光パネルの設置に適さない屋根の形状もある
屋根の形状・面積・傾斜によっては太陽光発電を設置できないケースも多いです。屋根の構造が複雑な対応や屋根材によっては設置に向かないケースもあります。また、太陽光発電は方角と角度が特に重要な要素です。
一番発電効率がよいのは南向きですが、設置できるのが北向きにしかできない、屋根に傾斜があり設置できないといったケースも少なくありません。
◇住宅ローンが活用できない
太陽光発電を後付けする場合、住宅ローンを利用してその費用を借り入れることはできません。新築時に太陽光発電を設置する場合は、住宅の建築費用と一緒に住宅ローンに含めることができ、低金利で長期の返済が可能です。
しかし、後付けの場合は自己資金で支払うか、ソーラーローンを利用する必要があります。ソーラーローンは、住宅ローンに比べて金利が高くなるため、返済の負担が増えることに注意が必要です。
太陽光発電を導入する際の費用
太陽光発電の後付けで気になるのが導入時にかかる費用です。導入時にかかる費用は、設置する太陽光パネルの容量によって変動しますが、この容量も住んでいる地域や世帯構成によって変わります。
◇太陽光発電の初期費用の相場
住宅用太陽光発電を既設住宅に設置する場合、一般的な価格は1kWあたり28.1万円です。3〜5kWを導入することを想定して計算すると、84.3万円〜140.5万円(28.1万円×3〜5kW)ほどの初期費用がかかります。
ただし、これはあくまで目安であり、メーカーや業者によって費用は異なるため、注意が必要です。
◇後付けの場合費用が高くなる
住宅用太陽光発電の費用は、価格差は年々減少してはいるものの新築よりも2〜4万円ほど後付けのほうが費用が高くなっています。後付けの場合、太陽光発電の設置前に追加工事が必要となる可能性や、後付けの場合は住宅ローンの利用ができないため、新築に比べて割高になっている点がデメリットです。
太陽光発電の後付けで後悔しないために
太陽光発電の導入は決して安い買い物ではありません。導入してから後悔しないためには、次の3つのポイントを押さえるのが重要です。
◇ソーラーローンの検討
太陽光発電の後付けでは住宅ローンの利用はできませんが、代わりにソーラーローン利用可能です。ソーラーローンとは、太陽光発電の導入をローン式で行うものです。太陽光発電の導入に必要な資金を金融機関などから借り入れできるため、初期費用の負担軽減にもつながります。
また、ローンには変動金利と固定金利がありますが、ソーラーローンの場合は10〜20年の範囲で設定されているのが特徴で、住宅ローンよりも高金利なのが特徴です。変動金利は、金利が安い代わりに金利が変わるリスクがあります。一方の固定金利は、毎月の支払額が変わることはありませんが、高金利です。
借入先によって条件・金利・返済期間などが異なるため、複数社と比較してから決めると失敗しません。また、ソーラーローンの主な借入先は、銀行・信用金庫・労働金庫・JAバンク・信販会社です。それぞれにメリット・デメリットがあり、審査の通りやすさや金利などが異なります。
銀行
全国で借り入れが可能な上、選択肢が多いのが特徴です。しかし、3つの借入先のうち最も審査が厳しく、金利にもバラつきがあります。
信用金庫・労働金庫・JAバンク
低金利で、審査が通りやすい点がメリットです。その一方で利用地域が限定されている点はデメリットといえます。
信販会社
審査が通りやすく、固定金利が選べるのが特徴です。ただし金利が高く、Webで金利を確認できません。
ソーラーローンの借入先を選ぶ際は、それぞれにメリット・デメリットを理解した上で、自分に合ったところを選ぶのが重要です。
◇発電量を確認
太陽光発電の導入を検討している方は、最初に発電量のシミュレーションをしておけば失敗を防げます。シミュレーションは、設置業者に依頼すると過去の実績データを基に正確なシミュレーションをしてもらえます。
シミュレーションしておけば、売電可能な電力や使用できる電力が分かりやすく、導入後のビジョンが掴みやすくなるため、おすすめです。
◇信頼できる業者の選定
太陽光発電の導入において、最も重要なのが施工業者ですが、中には悪徳業者も存在します。太陽光発電の設置経験が浅い業者を選んでしまうと、補助金がもらえなかったり施工不良で雨漏りなどのトラブルにつながるケースも多いです。
さらに自宅への訪問販売、太陽光発電の営業を行う業者もいるため、業者選びは慎重にしなければなりません。業者を選ぶ際は、口コミや公式サイトの実績ページを事前に確認した上で選ぶのが大切です。
太陽光発電や蓄電池を後付けで導入する家庭も増えています。後付けのメリットとしては、業者や製品選びに時間をかけられること、固定資産税がかからないこと、また屋根のリフォームを同時に行える点が挙げられます。
ただし、後付けには補強工事が必要な場合や、設置に適さない屋根形状があることもあり、注意が必要です。また、新築時とは異なり、住宅ローンが利用できないため、ソーラーローンを検討する必要があります。
導入費用はパネルの容量によって異なり、後付けは新築よりも割高になる傾向があります。導入前に発電量のシミュレーションを行い、信頼できる業者を慎重に選定することが、後悔しないための重要なポイントです。